食と栄養と健康

分子整合栄養医学の血液検査の読み方

一般検査と栄養学的な検査は解析方法が違う

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健康診断や病院の一般検査などで、皆さんも血液検査を受けておられると思います。
が、例え「基準値」の中に入っていても、栄養学的な「至適量」としては異常で、不調や病気を起こしうる数値が隠れています
私自身も企業健診や特定健診を行っているクリニックで働いていた際に結果判定を行っていましたが、その時はあくまでも、人間ドッグ学会や協会、自治体などが決めた一般的な基準値に基づく判定に基づいて結果を返さなければならないので、個別指導に来てくださった方以外には正確なことがお伝えできずに歯がゆい思いがありました。
それらの基準値が間違っているというわけではありません。
一般的な検査は主に内臓の病気や炎症などを見つけることなどが目的の解析方法であって、栄養学的な分子レベルの代謝までをも判定しようという解析方法ではないのです。

基準値は平均値であって理想値ではない

さらに、その「基準値」は一般的な成人のサンプルをとり数値の平均をとっているものです。
ここで問題となるのが食生活・ライフスタイルを考慮していない点です。
サンプルとなった成人の多くが、現代的な食生活・ライフスタイルを送っていた場合、数値が理想的な値ではなくなってしまうことが懸念されます。
例えば、魚の摂取が減少している今日。
体の中の動脈硬化の指標として脂肪酸のバランスEPA/AA比(イーピーエー・アラキドン酸比)をチェックしてみたらどうでしょう。
この検査では、食べた油のω3系の脂肪酸とω6系脂肪酸のバランスがわかります。

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EPAは言わずと知れた魚の油に含まれるω3系の脂肪酸。
血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させ、血栓や炎症を防ぐ作用があり、全身の炎症を落ち着けます。
AAはω6系脂肪酸から合成される物質で、これが過剰になった場合、血管内比細胞を含めた全身の細胞で炎症が促進され、動脈硬化やアレルギー、認知症の原因になります。
つまり、EPA/AA比が低いと、動脈硬化やアレルギー、認知症などのリスクが高いということです。

ある検査会社における基準値(正常値ではありません)
EPA/AA比 0.11~0.50

では、この中に入っていたらOKかというとそうではありません。
これは正常値でも理想値でもなく、あくまでも基準値です。
これは、現代の一般成人の平均値(検査会社の場合、サンプルは社員ということも)としての数値であるため、当然魚不足の現代人日本人のライフスタイルを反映しています。
例えば 0.2でも基準値ですが、これで安心というのは大間違い。

日本の複数の大規模スタディでも、EPA/AA比が0.4未満では心筋梗塞などのリスクが高まることがわかっています。

例えば、
福岡県久山町で九州大学が行った調査では「EPA/AA比高値群(>0.59)に比べて、EPA/AA比低値群(<0.29) で心血管疾患発症リスクが3.84倍上昇した。(高感度CRP高値例において)」と報告されています。

0.4以上を保つことは当然として、
栄養学的な理想値は「EPA/AA比=1」とされています。
これって、先ほどの基準値を超えてしまっていますが・・・いいんですか?
いいんです!
基準値はあくまでも、現代型ライフスタイルを送る日本人の一般成人の平均値なんですから。
厚生労働省は、EPA・DHAの1日摂取量の目標値を1000~2000mgにしているのに、現代人の平均は500mg以下なんです。
魚をたくさん食べて脂にEPA/DHAを豊富に持っているアザラシの肉を主食にするイヌイットに至っては、EPA/AA比=8という報告もありますよ。

氷に閉ざされた極寒の地に暮らすために脂肪をたくさん蓄えなければならないイヌイットと四季によって変化する気候風土に合わせた体が必要な日本人とでは、本来比較対象になりません。
これは極端な例として、
そもそも、個人個人の体質・腸内細菌の状態・性別・年齢・ライフスタイルによって、栄養素の必要量は全く違います
その個人個人に至適な量をアドバイスするために、分子整合栄養療法的な血液解析を行っている訳ですが、詳しい検査は分子整合栄養療法を行っている専門家でご相談ください。(私でも
このブログの記事では、皆さんが日常生活に応用できる内容を中心にお話しして参ります。

手元にある血液検査を深読みしてみよう

分子整合栄養医学で行う検査は、主に67項目ですが、
皆さんが病院や健診でもらわれた一般的な検査項目でよく測定する数値でも簡単な解析は可能です。

GOT(AST)/GPT(ALT)/γGPT
BUN/Cr
TP/Alb
Hb/血清鉄/フェリチン
などの項目も栄養学的な至適量(理想値)と一般的な解釈は乖離しています。

例えば下の表。
これらは高値では肝機能や腎機能の異常を診断するものですが、低値の時は「別に問題にならないですよ〜。」と言われる数値です。
でも、低値こそが、現代型栄養失調をみつけ、男女問わず、代謝や精神に影響を与えるたんぱく代謝・ビタミンB6不足を見つける鍵になります。
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GOT/GPTはたんぱく質代謝うまくいき、その代謝を促すビタミンB6が十分に摂取できていれば、両方が20以上で差がないのが至適値です。
たんぱく代謝が悪く、ビタミンB6が不足している場合は、GOTよりGPTの方が優位に下がり、GOTとGPTが乖離するのが特徴です。
例えば、こんな数値。
GOT14/GPT7
γGTP 8
BUN 9

食が細く華奢なタイプの女性や高齢者によくみます。
炭水化物食や厳格な菜食でもみられます。

GOTとGPTがGPT有意に減少し、
γGTPもBUNも一桁と激減しています。
明らかにたんぱく代謝が悪すぎる状態なので、以前にお話ししたように(記事へ)ホルモンや酵素、遺伝子合成などの働きが低下し、生理不順や卵巣や卵子の老化、老け、骨粗鬆症、皮膚の老化、疲れ、不眠、うつやイライラなどの不調が起きてもおかしくありません。

月経がある女性の場合は、貧血とは診断されていない「隠れ貧血」も非常に多いので、Hbや血清鉄、フェリチンもチェックすることが必須です。(⇒かくれ貧血、月経のある女性は全員注意! )
婦人科などでも一般的な解釈では「問題なし」と言われているケースが多いです。
特に出産・授乳後は激減している場合がほとんどです。

また、脂肪肝や肝機能障害でGOT/GPT,γGPT、脱水などでBUNが上がる場合などで、たんぱく不足・ビタミンB6不足が重なると数値が一見理想的にみえてしまうマスク現象もありますから、一度は専門家による深読みアドバイスを受けられることをお勧めします。

特に、肥満を伴うような糖尿病の場合は、このケースに当てはまることも多くあります。

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