脳の栄養失調が不眠やメンタルの不調の原因に!?
これといって
- 何もないのに、不眠気味。
- 何もないのに、うつっぽい。
- 何もないのに、イライラする。
- 何もないのに、集中できない。
こんなこと、ありませんか?
特にこれといって何か嫌なことを言われたわけでもなく、これといって生活が乱れているわけでもなく、これといって原因も思い当たらないのに!
なぜか!?
私自身もこんな時期がありました。
リラクゼーションに努めたり、
運動をしてみたり、
ブルーライトをカットしたり、
色々してみましたけれど、どうにも眠りが浅い。
どうにも気力がない。
もちろん、色々な原因がありますが、その一つに、前回までにお話した鉄やビタミンB群、そしてたんぱく質の欠乏があります。
若い華奢な女性のうつや不眠を見たらこれらの欠乏を疑え!と言われます。
さらに、妊娠中・産後など、これらの栄養素の需要や消費が高まる時期に起こるうつやイライラは、かなりの割合で栄養素の欠乏が原因の一つになっています。
かくれ貧血の時にお話したようなリスクチェックに当てはまる方。
また、ビタミンB群の不足を疑うチェックリストに当てはまる方、たんぱく質の摂取が少ない方で、これらの症状があれば、ご注目。
睡眠や感情を司るホルモン・神経伝達物質の原材料
感情の首座はどこか?
科学でもいまだ議論されるところですが、
睡眠には松果体から分泌されるメラトニンが必要ということ、
また、セロトニンやドーパミン、GABAなどの神経伝達物質が感情を左右することは分かってきました。
(感情や記憶、マインドがどこに存在するかは、分子レベルの話を超えてしまうのでこの記事ではなく、別の機会に!)
神経伝達物質の原材料が、たんぱく質。
そして、産生する過程で必要なのが、鉄などのミネラルとビタミンB群です。
下の図は、食品に含まれるたんぱく質が、消化管でアミノ酸に分解され、
血液脳関門という脳のフィルターをと突破して脳内で各種の神経伝達物質になっていく過程です。
アミノ酸から神経伝達物質を合成する過程では、
ナイアシン・葉酸・ビタミンB6などのビタミンB群
ビタミンC
鉄・銅・マグネシウムなどのミネラル
などが作用しなければ、反応が次に進まないことがわかりますね。
これらの神経伝達物質はそれぞれに重要ですし、絶妙なバランスで成り立っています。
抑制系
- GABA:唯一の抑制系
興奮を鎮める・リラックスさせる・ストレスを緩和する
抗ストレス作用があり
アミノ酸の一種で、発芽玄米などのGABA含有食品にも注目
興奮系
- L-グルタミン酸:記憶・学習・興奮
記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たす反面が、
興奮作用があり、神経毒性もあり
ビタミンB6がしっかり摂れていたら、抑制系のGABAに変化するので興奮と抑制のバランスが摂れ、安全に変化できるが、不足すると落ち着きがなくなる。 - ドーパミン:快楽・喜び・やる気・記憶・学習・集中
報酬系とも言われ、「嬉しい」「気持ちいい」などの快楽によって
スポーツや仕事などの達成感ややる気の持続につながる
快を与えるので抗ストレス効果あり
中毒性に繋がり、覚醒剤、タバコや甘いものの依存は過剰なドーパミンの影響がある
調整系のセロトニンがうまく働けば、ドーパミンの暴走は防ぐことができる
ADHD(注意欠陥性多動性障害)で分泌低下との関連が指摘 - ノルアドレナリン:興奮・覚醒・やる気・長期記憶・怒り
交感神経系を刺激し、心身を覚醒させ、様々なストレスに対応する。
ストレス耐性に関わり、リーダシップをもたらす
ドーパミンと同じく、ADHDの原因の一つに不足が指摘されている
過剰になると怒りっぽくなるなどの作用があるが、セロトニンにより調整が上手くいくとコントロール可能に。
調整系
- セロトニン:精神の安定・安らぎ・意欲
不足でうつ症状になるだけでなく
ドーパミンやノルアドレナリンの調整が上手くいかないため、
怒りっぽい、イライラなど不安定になりやすい
ドーパミン・ノルアドレナリン・セロトニンは三大神経伝達物質と言われ、相互に作用しあい、バランスをとっています。
特に図をみると調整系のセロトニン分泌には、ビタミンB6・葉酸・ナイアシン・鉄が不可欠ですから、これらが不足してしまうとメンタル系の不調が出るのは当たり前ですね。
睡眠
- メラトニン:体内時計の中枢で睡眠に誘う
全ての体内時計の中枢であり、体の働きにとって最重要。
朝明るい光を感知すると分泌が抑制されて覚醒し、約15時間後に分泌されて睡眠に導入されるしくみ。
最も強毒の活性酸素・ヒドロキシラジカルを消去できる貴重な物質。
セロトニンからメラトニンが分泌されるので、ビタミンB6・葉酸・ナイアシン・鉄は必要。さらにマグネシウムの媒介によってメラトニンが合成される。
まずは、食習慣や生活習慣の見直しを
こうしてみると、栄養素の重要性がわかりますよね?
脳の機能だけでなく、体のすべての代謝は同じように回っています。
つまり、食品からの栄養素を原材料にして、栄養素が媒介して、体や感情の調整までをも行っています。
ですから、たかが食べ物と侮るなかれ!
私自身も、以前、原因なく不眠、原因なく無気力でうつっぽいということがありました。
その頃は、あまり厳格でないベジタリアンでした。
きっともっと厳格であれば腸内細菌のバランスが変わり、ミネラルやビタミン、アミノ酸をも産生してくれるようになっていたかもしれません。
腸内細菌の助けが借りられず、自分の栄養素だけに頼っていた場合、吸収されやすいヘム鉄も動物性食品に多いビタミンB群やたんぱく質も不足しており、この頃の病院での乏しい健診項目の血液検査でも見事にそれが現れていました。
GOT 17/GPT 8/γGTP 12/BUN 9
→分子整合栄養学的にはこれは立派なビタミンB6不足とたんぱく代謝低下です。(読み方はこちら)
Hbは13.6
→全く貧血とは診断されなかったものの、後でフェリチンを測ってみたら10と潜在的な枯渇がありました。(かくれ貧血)
これらは、病院で一般的に行なう血液検査でも読み解けますので、私自身は患者さん達への説明も、肝機能や腎機能としての解説だけでなく、分子整合栄養学的に解析しています。
やはり、病院に来るほとんどは、不足。
で、補ってもらうと、ものすごく元気に活発に明るくなります。
睡眠も良好になるし、ご家族もそんな患者さんを見て元気になり、家庭全体に平和が訪れることに。
睡眠薬やメンタル系の薬はどうしても、耐性や副作用の問題が出てきてしまいますから、お手軽に使うのは避けたいもの。
脳の栄養失調について、思い当たる方はぜひ、栄養面からのアプローチを考えてみてはどうでしょうか?
う
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『日本人はなぜ臭いと言われるのか〜体臭と口臭の科学』(光文社新書)
「におい」は健康のバロメーター
原因と対策を一挙公開!
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【内容】
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無臭社会日本、と言われるが、本当にそうなのか。
「自分は臭わない」「外国人に比べれば体臭は少ない」との思い込みは正しいのか?
「加齢臭」「ミドル臭」「スメハラ」などの言葉が流行する昨今、
「気にしすぎ」と一刀両断してよいのか。
医師の視点でみると、口臭や体臭は、健康のバロメーター。
体の「危機」を知らせるシグナルだ。
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そもそもにおいとは何かにはじまり、におい物質と嗅覚や脳の関係、
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