子どもの発育と健康

貧相な食、孫世代の腸に祟る可能性

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「自分の体だから、自分の好き勝手したからって、文句言われたくない」
とは、不摂生している患者さんからよく聞くセリフ。
しかし!
science online版「your poor diet might hurt your grandchildren’s gut.」によると、自分の食事は、自分の体に祟るだけではなく、孫にも祟る可能性が。
まだ、自分の勝手と言いきれますか?

戦後の食事は、腸に重要なアレが決定的に不足している

戦後生まれの60〜70代も孫を持つ世代になっているでしょう。
今でこそ、ヘルシー志向が高まってきていますが、
戦後は、日本中をアメリカ型のファスト&ジャンクな食事が席巻し、
伝統食である雑穀・米、野菜・海藻、豆、発酵食品よりもパン、肉、油、スイーツ。
こういった食事に決定的に不足しているものは、そう。
腸内細菌の餌である食物繊維です。
食物繊維を餌にする腸内の常在細菌にとって、兵糧攻めのような状態になり、その種類が弱り、繁殖できなくなります。
すると、健康にとって不可欠な菌の多様性(多数の種類の菌が混ざり合いひしめき合う状態)が失われ、腸の疾患免疫疾患生活習慣病などの全身の病気、肥満につながってしまいます。
常在菌は、ジャングルのように多様性=ダイバーシティが保たれているのが重要です。
この辺りは、過去の記事「腸内細菌がヒトの遺伝子に作用する」もご参考に。

低食物繊維食のせいで、多様性が失われてしまった現代人の腸内細菌。
scienceの報告では、世代を追うごとに、さらに多様性が激減する可能性を示しています。

ひ孫世代の微生物多様性4分の1にまで激減

スタンフォード大学の微生物学者Erica Sonnenburg博士らは、複数世代のマウスに低食物繊維食を与えて腸内細菌を研究しました。
低食物繊維食(対象より30%食物繊維が少ない)しか与えられなかった群は、腸内細菌の多様性が激減。
ついで、その後の世代も低食物繊維食を与えて育てたところ、第4世代(ひ孫世代)では、第1世代のたった4分の1の多様性しか備えていないことがわかりました。
回復させるには、ひ孫世代に高食物繊維食を与えるだけではダメで、多様性のある腸内細菌を持つ糞便を移植までする必要があったそうです。

人間の生態系は、実験マウスよりもっと複雑なので、この研究をそのまま人間に置き換えることはできません。
ただし、ヒトは、6歳くらいまでに主に両親や環境からもらう微生物を自分の腸内や皮膚表面に定着させます
その両親もそのまた両親から微生物をもらうという風に世代に受け継がれていきます

殺菌し過ぎNG.微生物学者はあえて不潔なペットを飼う

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さらに、生涯の食生活の傾向も、幼少期の家庭の食生活に大きく影響されます。
子供の頃、栄養バランスのとれた家庭料理を食べて育ったか、ジャンクフードを食べて育ったかによって、大人になってからの食傾向も違ってしまいます
もちろん、社会的な影響も受けますが、常在菌も食傾向も、世代に確実に受け継がれていきます
さらには、最近の環境の殺菌消毒し過ぎもいけません。
赤ちゃんが何もかも口に入れるのは、環境の常在菌を体内に取り込んで多様性を培っているのです。
それなのに、環境が清潔すぎると、腸内にジャングルが育ちません。
さらに、抗生剤の無駄な使用によって、腸内細菌は致命的なダメージを受けます。
環境が清潔になるほど、アレルギー疾患が増えることは、衛生仮説と言い、先進国の問題になっています。
ヒトマイクロバイオームプロジェクトにも関わる常在細菌研究者は、あえて環境に多様な菌を住まわせるために、ヒトよりも多様な菌を持つペットを飼っています。
自分の肛門を舐めたり、外に行ってはそこらじゅうを舐め回すペットは、微生物のデパートのようなもの。
「子供の健康のためさ」というのが、彼らがペットを買う理由。

自分の食生活は、決して自分のためだけではありません。
可愛い孫やひ孫・・・末代の繁栄のために、自分を変える価値はありますね。

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