未来医療2.0

大腸がんの影に歯周病菌の存在!?新たながんマーカー開発に。

口の中の歯垢に住む歯周病の原因菌・フソバクテリウム属菌
これまで口の中だけで悪さをしていると思っていたのに、口以外の場所に出て行くと、もっと悪さをする可能性が分かってきました。
フソバクテリウムが口から下に侵入していたら、要注意です。
食道や大腸に入ると、食道がんや大腸がんの発症や進展に関わることが明らかになっています。

稀な細菌が増えていたら要注意

フソバクテリウム属菌は、口腔内に多く、ある程度は腸内にも存在しますが、保有率はとても稀です。
例えば、腸内フローラ検査をすると、私など全く保有していないようです。
下のグラフの黄色の帯にフソバクテリウム門も含まれていますが、平均よりも少なく帯がありませんでした。

多くの方の腸内フローラ検査を見ていますが、黄色の帯は目立たないことがほとんどです。
ところが、稀にフソバクテリウム属菌がとても多い人がいます。


黄色の帯が太いのがわかります。
詳細な内訳をみると、腸内フローラのうち、3番目に多い6.73%を占める菌がフソバクテリウム属菌でした。

この方の場合、少し前に感染症で強い抗生物質(広域スペクトラム)を1カ月程度内服し、下痢を起こしていました。
胃も悪くなり、胃酸を抑える強い胃薬も長期内服しておられました。
前後の比較はできていないのですが、これらのエピソードが菌のバランスの変化に影響したと考えられます。

がんの組織から大量の細菌検出

最近、フソバクテリウム属菌は、大腸がんのマーカーとしての開発が進んでいます。
フソバクテリウム属菌は、大腸の細胞内に侵入し、遺伝子のふるまいを変化させることで、がん化やがんの進展に関与していると考えられています。大腸がんの組織から、正常の415倍ものフソバクテリウム属菌が検出されたとの報告もあります。(1)
また、食道がんにおいても、フソバクテリウム属菌の感染が陽性のものがあり、それらは悪性度が高いことが報告されています。(
フソバクテリウム属菌は、炎症を誘発する遺伝子に影響を与え、炎症を促進することがわかっています。
例えば、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染があると炎症が起きて、がんが発生しやすいように、炎症は、がんの前段階にあるものです。
万病の元であると言っても過言ではありません。
腸内に炎症を起こす潰瘍性大腸炎にも大いに関係しているとされるフソバクテリウム属菌は、炎症という名の体内戦争を起こす原因になっています。

フソバクテリウム属菌が消化管で増えるリスクがある人は?

  1. 歯周病のケアをしていない人。
  2. 胃酸が十分に出ない人。
    ピロリ菌感染で萎縮性胃炎がある人
    H2ブロッカー(ガスターなど)やプロトンポンプ阻害薬(タケプロンなど)といった胃薬を飲んでいる人
  3. 抗生剤の内服で常在菌のバランスが崩れている人

特に、胃で細菌の侵入を防いでいる胃酸が十分に出ない人や、薬で抑え込んでしまっている人も要注意です。
通常は、胃は胃酸による「酸の海」ですから、口から入る細菌はほとんど殺菌消毒されてしまいます。
ピロリ菌感染による萎縮性胃炎があると胃酸分泌は低下します。
それから、病院でしょっちゅう処方される、H2ブロッカー(ガスターなど)やプロトンポンプ阻害薬(タケプロンなど)などの胃酸をがっつり抑える胃薬を飲んでいる人も要注意です。
多分、処方している先生は、効果以外は気にしていません。
絶対的に必要な場合でなければ、胃酸を抑えないその他の胃薬に変えてもらうのも良いと思います。
分子栄養療法医であれば、栄養素の吸収も妨げるこれらの胃薬はまず処方しません。
鉄の吸収を妨げ、隠れ貧血鉄欠乏性貧血のリスクを増やし、カルシウムの吸収を妨げ、骨粗しょう症のリスクを増やします。

また、安易な抗生剤の使用もリスクです。
フソバクテリウム属菌の除菌として試みられている抗生物質は、3種の抗菌薬(アモキシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾール:ATM療法)の組み合わせです。
一般的な感染症で抗生剤を飲む場合、他の常在菌がバランスを崩すことで、むしろフソバクテリウム属菌が元気になるリスクの方が高いと考えられます。
抗生剤もよほど必要な場合でなければ、安易な内服や予防投与をお勧めしません。
腸内フローラは確実にダメージを受け、免疫系もバランスを崩します。

腸内フローラ、いたわりましょう。

腸内フローラ検査Mykinso Pro

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