常在細菌叢・マイクロバイオームの世界

土と内臓〜微生物が元気ならサプリはいらない

 

「うんこらしょっっと。」
雑草だらけの畑にて、大小不揃いの大根を収穫!
父が趣味でやっている循環型微生物農法の畑です。
種は、農協で売っているF1種ではなく、野口種苗さんから購入している固定種のもの。
だから、辛い!大きさも不揃い!だけど、パワフル!

父と二人並ぶと、顔がそっくりで、いかにもこの種から育ったという感じで嫌なこったですけれども。
畑も父も、土壌環境、腸内環境が良いから元気で何よりです。

実家では、畑で収穫したもので料理をし、
その残飯を微生物で発酵させた発酵物を畑にまき、
雑草も完全には刈らずに残しておきます。
植物の葉っぱなどが土に落ちると、
土の中でまずは、ミミズなどの大きめのニョロニョロ達が葉っぱなどの有機物を食べて糞をします。
その糞を今度は、土壌の中の有用微生物が食べて、糞(代謝物)を出します。
その微生物の出した代謝物こそが、作物の根から吸収できる形になった栄養素です。
もし、畑にミミズも微生物もいなければ、葉っぱは土に還らず、栄養素にもなりません。
アミノ酸もビタミンもミネラルも、全てミミズや微生物が協力し合って作り出してくれます。
さらに、植物の根っこの周りには、根圏と呼ばれる微生物が密集したエリアがあり、
ここでは、植物と微生物が互いにコミュニケーションを取り合っています
植物の根っこは、微生物のエサとなる粘液を作ることで根圏で微生物を養いながら、有用微生物の砦によって、病原菌からガードしてもらいます。
ミミズは更に、土壌の中に植物が必要な「窒素」を保持したり、待機中のCO2の量を調整する作用もあります。
自然とは、この好循環が上手く保たれたエコシステム
でも、農薬を撒いてミミズや微生物がいなくなってしまうと、土壌の中で栄養素を作り出すシステムがなくなってしまいます。
だから、1回作物を育てると、土壌からは栄養素が吸い上げられてしまい、減る一方。
そのため、栄養素を補うサプリメントのような形で、化学肥料が必要になります。
でも、農薬を使い続けると、サプリメントで補おうとも、今や野菜の栄養素は激減しています。
本来は、サプリメントを摂らなくても、微生物がしっかりと働いていれば、栄養素は土壌の中で潤沢に作られ、生物を十分に養ってくれます。

それが、自然

これって、人間も同じです。
どうして、食事をしているのに、ビタミンやミネラルが不足して「現代型栄養失調」になり、サプリメントが必要なのでしょうね。

答えは、「微生物が減り、バランスを崩しているから」です。

以前も、『ゲノムが明かすヒトと細菌の蜜月関係♡』にも書きましたが、畑は、腸内環境と同じシステムです。

ゲノムが明かすヒトと細菌の蜜月関係♡

ヒトは、食物を口腔〜腸内の微生物が代謝することで、栄養素が作り出され、それを小腸の絨毛上皮という根っこで吸収します。
絨毛上皮の上には、何層にも腸内の有用微生物=マイクロバイオームが重なり合いながら腸の壁を病原菌から守っています。

腸内の有用微生物は、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、短鎖脂肪酸などの栄養素やエネルギー源を、私たちの食事から作り出してくれます。それを、小腸の絨毛上皮から吸収して、血液を通して細胞に栄養を取り込むことができます。
逆に、有用微生物がいなければ、効率的に食物から栄養素を得ることができません。

私たちの腸内に暮らす有用微生物は、現代的で衛生的過ぎるライフスタイルや、農薬や加工によって殺菌消毒された食物を摂ることによって、種類や数が減少しています。

人間以外の野生動物は、土付き、微生物付きの植物を食べ、それを消化し、栄養豊富な肥料となる糞を落としたりして、自然のエコシステムのなかに組み込まれています。
人間だけが、エコシステムから外れてしまったんですね。だから、野生動物や自然には起こりえない病気が人や社会に起きてしまう。

 

これを解決しようと思ったら、循環の中に戻ることですが、排泄を畑にする時代にはさすがに戻れませんね。
せめて、
コンポストなどを家に置いて、残飯から肥料を作り、
それを畑に戻し、
微生物を生かした畑で採れた土付きの野菜を食べること。

一番誰にでも簡単にできることは、

  • 自然農法で作れたオーガニックな野菜を食べること。
    土壌からの有用微生物を取り込むことができますし、食物繊維は、有用微生物のエサになります。
  • 偏った食事をせず、色々な種類のものを組み合わせて食べること。
    健康に必須の腸内の有用微生物の多様性が維持されます。
  • その代わり、殺菌、滅菌された加工食品の割合を減らすこと。
    有用微生物を取り込むことに役立ちません。
  • 環境を殺菌せず、環境にいる有用微生物と共に暮らすこと。
    環境にいる微生物のほとんどは、病原菌ではありません。
    多様な微生物に囲まれて暮らすことで、アレルギーが減ります。

今日も、畑は豊か。
菌と仲良く、共に!

『土と内臓〜微生物がつくる世界』
良書です!
畑をやっている父にもお勧めしたら、面白い面白い!と喜んでいました。
翻訳本なので、やや形式的に読みづらくはありますが、それをおしても、ぜひ。

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